自動販売機はすぐそこだったから……。
けれど、嫌な足音が聞こえて、すぐに気づいてしまった。
……囲まれた。
「おい、白咲由姫」
前から、後ろから、そして左右から。計4人の男の人が、挟みうちするように迫ってくる。
fatalの人たち、かな……?
ああ……私、疑われてはいるんだ……。
そうだよね、女子生徒は全員調べられたって言っていたし……いくら弥生くんと華生くんが言ってくれていても、警戒を怠るんじゃなかった。
深く反省し、バレないようにため息を吐く。
「ちょっと来い」
そう言われ、おとなしくついて行くことにした。
今逃げても不自然がられるだろうし……どうにかやりきろう。
変装を解かれそうになったら、意識を落として……。
——カシャッ。