「もう見えてるので大丈夫ですよ!」
私が強くそう言うと、蓮さんが少し不満そうにしながら、口を開いた。
「わかった……それじゃあ、教室に入るのを確認してから行く」
過保護な蓮さんに、頬が緩んでしまう。
ふふっ、心配性だなぁ……って、私が心配をかけているのが悪いんだけどっ……。
「それじゃあ、また放課後」
「ああ。なんかあったら連絡しろよ」
蓮さんに手を振って、教室へ向かう。
教室に入ってから蓮さんのほうを見ると、まだ私のほうを見ていた。
笑顔でもう一度手を振ると、同じものを返してくれた後、階段を上がっていった蓮さん。
私も、自分の席へと向かった。
あ……今日は拓ちゃんだけだ。
「由姫、おはよ」
私に気づいた拓ちゃんが、いつも通りの笑顔を向けてくれる。
*次回の更新は6月19日(金)13:00〜*

