かっこよくて直視できなくて、すぐに視線を逸らした。

自分の乙女思考に、鳥肌が立っちゃいそうだっ……。



「由姫、どうした?」

「な、何もありませんっ……」

「そうか?」



ドキドキと騒がしい心臓の音が聞こえませんようにと思いながら、エレベーターに乗る。

ふたりで寮を出て、教室へ向かった。

その途中でも、度々「サラ」の名前が聞こえて、その度にびくっと肩が跳ね上がりそうになったのを堪えた。











「ここで十分です、蓮さん……!」



階段を登り、教室の手前でそう言った。

もし弥生くんと華生くんが来ていたら、また喧嘩になっちゃうかもしれないっ……。

ふたりとも、相当nobleの人が嫌いみたいだから……あはは……。



「いや、教室まで行く。心配だからな」