総長さま、溺愛中につき。③〜暴走レベルの危険な独占欲〜




 それなのに、僕の声なんてもう届いてないみたいにスタスタと歩いていってしまった。


 ……せっかく天王寺を葬れる機会だと思ったのに。






 チッと、無意識に舌打ちをしていた。

 まあ、また今度にしよう。

 ことの詳細は……由姫に聞こうか。






「たっだいま~」



 生徒会室に戻ると、由姫があからさまに心配そうな顔で僕のほうを見た。

 天王寺がどうなったか、気になるんだろうな。


 はぁ、気に入らない……。

 どうやったら由姫は、僕のことだけ見てくれるんだろう……。

 天王寺なんて、放っておけばいいのに。


 ……あんなクソ男。




「天王寺はどうだったんだ?」

「うーん……なんか急に大人しくなってどっか行っちゃった~」



 舜くんにそう返事をすると、由姫があからさまにほっとした顔をした。