でも、春ちゃんだってズルいよ。
春ちゃんが浮気をしていなかったら、私に気づいてくれていたら……きっと私はずっと春ちゃんだけを好きだった。
全て春ちゃんのせいにするつもりはないし、そんなこと言っても無駄だってわかっているけど、私はもう何があっても、春ちゃんのところには戻らない。
ただ……。
「明日の朝7時、ふたりで会おう」
こうなったのが全部私のせいなら……最後まで責任を持とう。
《……え?》
春ちゃんが納得できないというなら……納得してくれるまで、ちゃんと話そう。
ちゃんと……別れよう。
「春ちゃんの学校のすぐ近く……湖があるでしょう?」
《う、ん》
「そこで待ってるから、誰にも内緒で来て。絶対に内緒だよ?」
《会って、くれるの……?》
「うん。だから、もうケンカはしないで……お願い」
はぁっ……と、歓喜するような息づかいが聞こえた。

