総長さま、溺愛中につき。③〜暴走レベルの危険な独占欲〜





「春ちゃん、ケンカは今すぐやめて……お願い」



《なんで、知って……》



 困惑しているのか、弱々しい声が返ってくる。



「私のお願い、聞いて……?」



 どうか、踏みとどまってほしい。



《……っ、ズルい……》



 今にも泣きそうな声に、胸が痛んだ。



《だったら、俺のこと、捨てないで……っ》



 春ちゃん……。

 どうやら、私の想像の何倍も、春ちゃんの中では納得がいっていないようだった。

 こんな苦しそうな声……初めて聞いた。