「えー、僕やだ~! ケンカ怖いよぉ~」
「とっとと行ってこい」
「はぁ……もうめんどくさいなぁ……」
舜先輩に言われ、しぶしぶと言った様子で立ち上がった南くん。
「で、どうすればいいの?」
「大人しくさせてこい。方法は任せる」
淡々とした声で命令した舜先輩の瞳は、一切の迷いがないように見えた。
それがわかって、ゾッとする。
このままじゃ、春ちゃんが……。
「どうして僕が天王寺の……」
ぼそっと何か言いながら、生徒会室を出ていった南くん。
春ちゃんを止めなきゃ……っ。
「わ、私、お手洗いに行ってきます……!」
そう宣言して、生徒会室を飛び出した。

