「早く仕事終わらせて晩ごはん食べに行こう~」
あ、なるほど……何か食べたいものでもあるのかもしれない。
「うん、いい――」
「無理。俺と先約がある」
私の返事を遮り、蓮さんが言った。
え? 先約?
私、蓮さんと何か約束してたっけ……?
「むぅ~!! 嘘だ! じゃあ明日!」
「明日もだ。明後日もその先もずっと俺で埋まってる」
……ど、どうしたんだろう蓮さん?
まるで断る口実のように言っている蓮さんに、首をかしげた。
その時、生徒会室内に電子音が鳴り響いた。
滝先輩のスマホだったらしく、応答している。
通話を切った滝先輩は、ため息をついたあと、生徒会幹部の人たちのほうを見ながら口を開いた。

