バレたわけでは、なかったんだ。よかった……。
でも、何が目的で来たんだろう?
“サラ”と蓮さんに繋がりがあることがバレたなと思ったけど、そうでもないみたいだし……。
結局、その後すぐに家を出ていった春ちゃん。ここまでの経緯は、わからずじまいだ。
「チッ……意味わかんねー男だな」
蓮さんは苛立ったように舌打ちをしたあと、私のほうを見た。
「下の奴が揉めたくせぇな。巻き込んで悪い」
申し訳なさそうに頭を撫でられ、私のほうが罪悪感を覚えた。
いや……まだわからないけど、もしかすると私のせいかもしれない。
だとしたら……蓮さんが謝る必要はひとつもないし、むしろ謝らないといけないのはこっちだ。
蓮さんはまだ、春ちゃんと私が元恋人同士だってことを知らないし、私がサラだと言うことも話していないから……騙しているような気分になった。