「ここにいた。fatalの頭が俺になんの用だ?」

「……家には誰かいる?」

「……いねーよ。つーかお前なんだその話し方。気持ち悪りぃ」



 蓮さんの言い方からするに、ふたりは面識はあるんだろう。

 って、当然か。きっと同じクラスだろうし。

 そんな、どうでもいいことを思った時だった。



「っ、おい!!」



 蓮さんの焦った声と、足音が響いた。

 段々と大きくなっていく足音。まずい、こっちに来てる……!

 慌ててベッドの下に隠れようとしたけど、遅かった。

 勢いよく、部屋の扉が開く。

 その先にいたのは……ひどく焦った表情の、春ちゃんだった。