「待ってサラ、話をしよう。お願い、由姫――」



 ――プツッ。

 電話は、そんなあっけない音を立てて切れた。

 あ……。



「嘘、だろ……」



 サラに振られたという事実もそうだが、こんなあっけない終わり方は……。

 納得できるわけもなく、俺はもう一度電話をかけた。

 ……繋がらない。



「……サラ、お願いだから出てっ……」



 手は恐怖で震えていて、声も追い詰められた端役のように情けないものだった。

 何度かけても繋がらない電話。

 俺は朝になるまで、延々と繋がらない電話をかけ続けた。







 気づけば日が昇っていた。

 俺は繰り返し電話をかけ、そしてメッセージを送り続けていた。