「昨日は、ありがとうございましたっ……」



 お礼を言うと、蓮さんはまた微笑み、頭を撫でてくれる。



「どういたしまして。もう起きるか?」

「は、はい」



 時計を見ると、朝の7時。いつもよりたくさん寝てしまった。

 ……そうだ。お礼にもならないかもしれないけど、朝ごはんを作ろう。



「あの、よかったら朝ごはん食べに来てください……!」



 私の言葉に、なぜか心配そうに見つめられた。



「もう平気なのか?」



 ……え? あっ、虫のことか。

 確かに、怖くないと言えば嘘になるけど、1日たったら恐怖心は随分薄れた。入るくらい、さすがにもう平気だ。