総長さま、溺愛中につき。③〜暴走レベルの危険な独占欲〜






 別れる……?

 由姫、別れを切り出したのか……。

 こんな時なのに、安心してしまった。

 ……で、この男は別れを切り出された理由もわかってねーってことか?

 焦っている声や、この着信件数を見る限り、未練タラタラなのは丸わかりだ。

 けどもう、お前は用なし。これからは俺が、由姫を守るから。



《何かしたなら謝るし、嫌なところは直すから――》

「由姫はもう俺のもんだ。お前は一生、由姫に近づくな」



 それだけ言って、電話を切った。


 ……もう、こんな浮気男に由姫を傷つけさせはしない。


 厄介そうな相手だが、何も心配はいらない。

 由姫には安らぎだけを与えてやりたい。

 何も心配せず、ずっと笑っていてほしい。