好きと自覚する前や、由姫はいる室内では不眠症の俺も安心して眠れるが……今日は状況が状況だ。
好きな女が隣にいるのに、すやすや眠れるはずがない。
由姫は赤い顔を隠したいのか、布団を深くかぶった。
「お、おやすみなさいっ……」
……かわいいな。
もう何をやってもかわいいと、顔がにやけてしかたなかった。
「すぅ……すぅ……」
少しして、由姫の規則正しい寝息が聞こえる。
寝息までかわいいと思いながら、寝顔をじっと見つめた。
……寝顔が天使すぎる。
きめ細かい肌に、長いまつ毛が影を作っている。
一生見てられる……と、またバカなことを思った。
由姫と出会ってから、本当にバカになったと思う。

