総長さま、溺愛中につき。③〜暴走レベルの危険な独占欲〜





本当に、無防備すぎる。



「虫ならもういないぞ?」

「さ、さっきまで虫がいたと思ったら、この部屋にいるのがなんだか怖くって……」



眉の両端を下げながら、まるで捨てられた子犬のような目で見つめてくる由姫。

身長差のせいで必然的に上目遣いになっていて、俺は理性を試されているのかと思った。

かわいすぎるだろ……。



「そんなに苦手なのか?」

「は、はい……虫と雷は本当にダメで……」



雷も?……ダメだ、かわいい。

由姫のすることや言うことがいちいちかわいくて、頭がバカになったみたいに同じ言葉しか出てこない。

にしても、かわいそうだな……。

怯えている姿を見て、どうしたものかと考える。