本当に、無防備すぎる。
「虫ならもういないぞ?」
「さ、さっきまで虫がいたと思ったら、この部屋にいるのがなんだか怖くって……」
眉の両端を下げながら、まるで捨てられた子犬のような目で見つめてくる由姫。
身長差のせいで必然的に上目遣いになっていて、俺は理性を試されているのかと思った。
かわいすぎるだろ……。
「そんなに苦手なのか?」
「は、はい……虫と雷は本当にダメで……」
雷も?……ダメだ、かわいい。
由姫のすることや言うことがいちいちかわいくて、頭がバカになったみたいに同じ言葉しか出てこない。
にしても、かわいそうだな……。
怯えている姿を見て、どうしたものかと考える。

