由姫への気持ちが変わることは全くないが、これは予想外すぎる。
じっと、申し訳なさそうにしている由姫を見つめた。
綺麗な艶のある桃色の髪、透き通るような水色の大きな瞳。長いまつ毛に、メガネで目立たなかった白い肌が際立っている。
誰がどう見ても、絶世の美人だと声を揃えていうだろう容姿。
「別に変装なんてしなくても大丈夫だって言ったんですけど、私のお父さん過保護で……」
「いや、由姫の父親は正しい」
「……え?」
確かに、こんな実質の不良校に、かわいい娘を入れるのは憚られただろう。
しかもこの容姿。これがバレたら、とんでもないことになる。
男は全員、由姫を放っておかなくなるだろう。
……ちっ。
これ以上……というか、由姫を好きな奴が増えるのは御免だ。
しかも見た目で惚れるような輩がいたら、ぶっ殺したくなるだろう。
「この姿、まだ誰にもバレてないのか?」
「えっと……はい。幼なじみ以外は……」
正直腹立たしいけど、幼なじみは仕方ないか。

