総長さま、溺愛中につき。③〜暴走レベルの危険な独占欲〜




一旦、かわいそうだと思いながらも由姫を部屋に入れる。

こんなところで話して、舜あたりが来たりでもしたら困る。



「……ん。ここで待ってろ」



由姫を玄関に置いて、俺は部屋に入った。

ベランダって言ってたから、リビングか……。

リビングに入ると、まず目に入ったのは机の上に綺麗に並べられていたメガネとウイッグ。

……黒髪はウイッグだったのか。通りで髪質が硬いと思った。

さっき触れた由姫の髪は……驚くほど柔らかかった。

どうしてこんなもんをつけていたのかはわからないが、話してくれると言っていたから今はとっとと虫を追い出そう。

すぐに壁に止まっていた蛾を見つけ、掴んでベランダへ逃がした。

遠くへ飛んで行ったのを確認し、玄関にいる由姫を呼ぶ。



「由姫、外に出したぞ」



恐る恐る、リビングへ歩いてきた由姫。