俺の質問にショックを受けたのか、うるうるとした目で見つめられた。
……っ、勘弁してくれ。もう意味がわからない。
「……その格好は?」
「……へっ」
俺の質問に、状況をようやく理解したのか、由姫が顔を青ざめさせた。
「あ……え、っと……」
どうやら、俺の知っている由姫の姿と、今の自分の姿が異なることに自覚はあるらしい。
わかりやすく動揺している由姫。
「ちゃ、ちゃんと説明するので、あの……虫が……」
どうやら、とにかく虫が怖いらしい由姫は、そう言って再び俺にしがみついてきた。
「……わかった。家に虫が出て叫んでたのか?」
「は、はい……!窓を開けたら、蛾が入ってきてっ……」
さっきの悲鳴はそれか……にしても、蛾が入ってきたくらいでそんなにビビるなんて、よっぽど虫が苦手なんだな。