思わず体がこわばり、反射的に耳を塞ぐ。

 か、み、なり……。

 どうしようっ……。

 寮生活で、一番危惧していたことが起こってしまった。

 私はすぐにベッドに入り、布団に潜る。

 怖いから電気はつけたまま、布団の中で耳を塞いだ。

 雷は……虫よりも、苦手だっ……。

 幼いころ……ストーカーが家まで入ってきたことがあった。

 その日はお父さんとお母さんがいなくて、まだ小さい輝とふたりきり。

 ふたりでクローゼットに隠れて、息を殺した雷の夜。

 あの日のことがフラッシュバックして、恐ろしくてたまらなくなる。

 再び、体をずしんと震わせるような轟音が鳴り響いた。

 っう、ヤダっ……怖い……っ。

 雷の夜は絶対に、家族の誰かが一緒に寝てくれていたけど……今はひとりだ。

 震える体を、自分の腕で抱きしめる。

 早く、収まって……雷も、震えも……。

 そう願った直後、また地面を揺らすようなおぞましい音が鳴り響く。



「きゃああっ……!!」



 やだ、本当に、いつまで続くんだろう……っ。

 涙がじわりと溢れて、恐怖に震えがひどくなる。

 きゃっ! な、何? ポケットが震えた気がして手を伸ばす。