総長さま、溺愛中につき。③〜暴走レベルの危険な独占欲〜

 再び、ぎゅっと抱きつかれた。



「寂しくないよ~」



 南くん……。

 元気づけようとしてくれていることが伝わってきて、なんとか笑顔を返す。



「俺もいるぞ」

「……え、滝くんがそんなこと言うなんて、めずらしいね」

「由姫は……そうだな、かわいい妹みたいな存在だからな」



 ふっと、微笑んでくれる滝先輩。

 私は……そんな優しい言葉をかけてもらう資格、ないんだ。

 だって、みんなを騙しているんだから。

 全部全部……私のせいで……。

 このまま……蓮さんが帰ってこなかったら、どうしよう。

 蓮さんがいなかったら、みんなが困る。


 私がいなくなることで蓮さんが帰ってくるなら、やっぱりそのほうがいいに決まっているんだ。



「そうだな。みんな由姫のことはかわいがっている」




※次回の更新は明日5月20日(水)13:00〜※
④も公開になります(*´˘`*)!