総長さま、溺愛中につき。③〜暴走レベルの危険な独占欲〜

「僕もだよぉ〜!もう、僕の両親人使い荒いから、帰してもらえなかったんだ〜!やっと由姫に会えたぁ〜!」



 元気な南くんがいることで、生徒会室の空気も明るくなった気がした。

 本当はもうひとり、ここにいてほしい人がいないけれど。




「おい、離してやれ南。蓮がいたら殺されてるぞ」



 南くんに向かって、少し不機嫌そうに滝先輩がそんなことを言っている。



「え?なんで滝くんが怒ってるの?」

「……そんなつもりはないが……」

「滝の言う通りだぞ、離してやれ南。女子生徒に気安く抱きつくものじゃない」

「しゅ、舜くんまでどうしたの……?ていうか、そういえば蓮くんはどうして来てないんだろう?教室にはいたのに!」



 ……っ。

 学校には、来ているんだ……。って、そうだよね。今朝会ったもん。



「声はかけたが……今日も理事長の手伝いがあるとやらで……」