って、今は心配する資格もないかな……。

 早く、学校に行かなきゃ遅刻しちゃう……。

 落ち込む資格も、私にはないよ……。

 1階について、バレないように細心の注意を払い寮を出る。

 教室に向かう途中、廊下を歩いていると、いつもより校内が騒がしいことに気づいた。



「なあ、さっき運ばれてるの見た?」

「見た見た、血まみれだったよね……」




 ……ん?

 なんだか、物騒な単語が聞こえたような……?

 不思議に思いながらも、教室へ急いだ。








「由姫! やっと来たぁ~!」

「今日は来ないのかと思った……よかったぁ……!」



 教室につくと、弥生くんと華生くんが一斉に飛びついてきた。

 ふたりを無言で引き離し、拓ちゃんが「おはよ」と言ってくる。



「遅刻なんて珍しいな。大丈夫か?」

「う、うん、ちょっと夜更かししちゃって……」