「よく眠れましたか?」

「ああ。おかげで全員遅刻ギリギリだった」

「僕、目覚ましがないと起きれないんだも~ん」



遅刻は免れたみたいで、よかったっ……。



「由姫」



こつんと、マグカップを机に置く音とともに呼ばれた名前。

あ、ココアだ……!



「あ、ありがとうございます!」

「お菓子もあるからな、好きに食べていいぞ」



蓮さんはそう言って、自分の席に戻っていく。

あ、甘やかされてる……。

いつもしてもらってばかりで申し訳ないな……と思いながら、ありがたくココアをひとくちいただく。

美味しい……。