私は人に恵まれているなと、心の底から嬉しく思った。



「……っ」



 ……あれ?



「どうしたんですか……?」



 急に顔を赤くした舜先輩に、首を傾げる。

 もしかして、疲労から風邪を引いたとかじゃっ……。



「由姫、お前は……」



 心配する私を見ながら、舜先輩はなぜか真剣な表情で口を開いた。

 ん……?



「……いや、気にするな」



 言いかけて、やめた舜先輩。

 気になったけれど、追求することでもないかと聞かないでおいた。








「ゆっくり休むんだぞ」



 寮について、部屋の前で舜先輩と別れる。



「はい……!舜先輩も、おやすみなさい」



 部屋に入っていった舜先輩を見て、私は視線を蓮さんの部屋へと移した。

 電気は、ついてない……部屋にはいないのかな……。

 蓮さんに……謝りたいな……。