「最近、睡眠も取れていないみたいだったので……」



 心配していたことを聞くと、舜先輩は笑顔を返してくれた。



「ああ、今日は眠れそうだ。由姫のおかげで仕事も早く終わったからな」



 休んで欲しかったから、その返事に安心した。

 さっき仮眠していたからか、心なしか顔色は少し良くなっている。

 でも……。



「蓮さんが戻ってこない限りは、舜先輩の負担も大きくなりますよね……」



 今日は休めたとしても、まだやることは山積みなはず。

 舜先輩がこんなに疲れているのもまた……私のせいだ。

 私の言葉に、何を思ったのか舜先輩が手を伸ばしてきた。

 頭に手を置かれ、顔を上げる。

 視界に映ったのは……舜先輩の、優しい微笑み。



「由姫。大丈夫だ、あいつはそのうち戻ってくる」



 ……っ。



「気まぐれなやつだからな。心配するな」