というか、私を抱きしめながら名前を呼ぶから、バレたかと焦ったっ……。



「せ、せんぱい……!」



 このまま抱きしめられているわけにもいかず、舜先輩を起こす。

 ようやく目が覚めたのか、相変わらず眉間にシワが寄ったまま、瞼を持ち上げた舜先輩。



「……ん?……っ」



 自分の状態に気づいたのか、パッと慌てた様子で私から手を離した。



「わ、悪い……寝ぼけていた」



 私も、解放されほっと胸を撫でおろす。



「大丈夫ですよ。お疲れのところ起こしてしまってすみません。お家のベッドでゆっくり寝たほうが疲れも取れると思って……」

「ああ、そうだな。もうこんな時間か……帰るか」



 舜先輩はソファから立ち上がり、帰る支度を始めた。

 ふたりで、生徒会室を出る。



「舜先輩、今日は眠れそうですか……?」

「ん?」