隈もできていたし、さっきのことも重なって、疲労が限界に来たのかもしれない。

 もう仕事が終わっているなら、家に帰ってゆっくり休んでもらったほうがいいよね。



「舜先輩、そろそろ帰りましょう……?」



 少しだけ体を揺すると、舜先輩が「んん”……」と唸りながら眉間にシワを寄せた。

 あんまり寝覚めは良くないタイプなのかな。今日は舜先輩の知らない一面を、たくさん知った。



「舜せんぱ……えっ」



 起きてください、と続けようとした時だった。

 腕を引かれ、抱き寄せられたのは。

 え、ええっ……!

 驚いて身を捩るけど、舜先輩の力が強くて離れられない。

 戸惑う私とは対照的に、舜先輩はなぜか表情を緩めた。



「……サラ……」

「……っ」



 幸せそうにその名前を呼ぶ舜先輩の姿に驚いた。

 どんな夢を、見てるんだろうっ……。