私がこんなことを思う資格はないけれど……早く、戻ってきてほしいな……。

 お菓子を片付け、仕事を再開しようとパソコンの前に座る。

 すると、生徒会室の扉が開いて舜先輩が入ってきた。



「戻ったぞ」

「あ……舜先輩、おかえりなさい……!」



 ぺこりとお辞儀をすると、舜先輩がまっすぐ私の机に向かって歩いてくる。



「……由姫」



 少し疲れた顔をしながら、ふっと笑った舜先輩。



「さっきは助かった……ありがとう」

「いえ、舜先輩に何もなくてよかったです」

「お前がいなければとんでもないことになっていた。いろんな意味でな」



 それは、刺されていたという意味か、先生にはめられていたという意味か、はたまたどちらもか……でも、きっと舜先輩ならひとりでも場を収められたはずだ。



「それにしても……楠木の面子は完全に潰れたな」


 舜先輩が、さっき見た不敵な笑みを浮かべた。

 もしかしたら舜先輩は……少し黒い人かもしれない。ふふっ。




*次回の更新5月16日(土)13:00〜*