滝先輩は私を見て、にこりと微笑む。



「蓮がいない今、俺が由姫を守らないとな」



 ……っ。

 突然の蓮さんの名前に、びくっと反応してしまう。

 幸い滝先輩には怪しまれなかったみたいだけど先輩は何やらぼそりと呟いた。




「いや……別に蓮がいなくとも……」



 独り言だったようで、すぐにいつもの笑顔に戻った滝先輩。



「そうだ、お菓子の時間にするか?」



 お菓子という単語に、私は微笑み返した。



「はいっ……」



 滝先輩がすぐにお菓子を用意してくれて、私は飲み物を用意する。

 ふたりでテーブルを囲んで、滝先輩が用意してくれた焼き菓子に目を輝かせた。

 マフィンにブラウニー、大好きなパイフェもある……!

 滝先輩に感謝の意をつたえ、まずはブラウニーをひとついただく。

 口に広がった甘さに、私は少しだけ違和感を覚えた。


 あれ……。