切り替えるように、そう提案した俺の言葉に教師たちが頷く。

 もう俺の潔白は完全に証明されたらしく、俺を疑うような空気は無くなっていた。

 由姫には感謝しないとな……。



「それでは、私は失礼します」



 そう言って頭を下げた由姫は、なぜか俺のほうに歩み寄ってきた。



「舜先輩、これファイルです」



 ……え?

 すっと、他の教師たちに見えないようにファイルを置いた由姫。

 これ……そういえば持ってくるのを忘れていた。

 もしかして、これを届けるために後を追ってくれていたのか?

 というか……いつも俺がこれを持っていくこと、知っていたのか。

 観察力が凄まじいな……今日は驚かされることばかりだ。




「それと……さっきの人たち、全員マスクを取って写真を撮っておきました。写真はメールで送っておきましたので」



 そっと耳打ちされた言葉に、俺はまた驚く。