総長さま、溺愛中につき。③〜暴走レベルの危険な独占欲〜

 でもまさか……由姫が技をかけられたなんて。あの蹴りは、空手を心得ているものの動きだった。

 ひ弱そうだと思っていたが……見誤っていたようだ。

 何か習っていたのだろうか……これなら、蓮が心配する必要もなさそうだな。



「助かった。ありが……」

「なんだい、これは……!」



 礼を言おうとした時、大きな声が辺りに響いた。

 この声は……楠木か?

 意地の悪い数学教師が現れたことに、嫌な予感がした。

 楠木は俺を見るなり、眉間にシワを寄せた。



「東くん、キミがしたのか……?」



 ……なるほどな、そうきたか……。


 まあ確かに、これだけ生徒が倒れていたら、不信に思われても仕方ないが……。

 どうやら、この状況を見て俺が悪者だと判断したらしい。

 俺は立ち上がって、教師のほうを見た。



「これは正当防衛に当たるかと」