微笑む彼女に、きっとその場にいた誰もが恋をしただろう。
俺だって……例外ではなかった。
あの日俺は、サラに命を救われた。
大げさではない。あの日の被害者の中には、今も癒えない深手を負った人間もいる。
怒りを買った俺は……間違いなく、サラが助けに来なければ殺されていただろう。
だから彼女は……サラは、俺の想い人で、命の恩人でもある。
男からナイフを奪い、踏みつけながら使いモノにならないようにナイフを折った由姫。
由姫は振り返り、俺のほうへ駆け寄ってきた。
「大丈夫ですか……!?」
どうしてだろう……。
『大丈夫?』
——由姫がどうしようもなく、サラに重なったのは。
助けられたからか……?
「舜先輩、お怪我は?」
「……ああ、大丈夫だ」
お前が助けてくれたから……かすり傷もない。

