とにかく、早くこいつらの素性を確認して、職員室に行こう。

 そう思い、まずは目の前にいたやつのマスクを剥ぎ取ろうとした時だった。



「舜先輩!!」



 ……由姫?

 焦ったような大きな声で名前を呼ばれ、振り返る。

 ……っ。

 俺をめがけてナイフを振り下ろす男の姿に、これは終わったかもしれないと覚悟した。

 思っていた以上に疲労が溜まっているのか、反応が遅れてしまった。

 避けても、体のどこかには刺さってしまうだろう。

 あー……この感覚は、二度目だな……。

 サラと出会った、あの時以来だ。

 あの時はサラが助けてくれたが……今回は手遅れみたいだ。

 俺は、自分の身に振り下ろされるのを覚悟した。

 ……が、それが俺を突き刺すことはなかった。


 ——ドンッ!!



「うあっ……!」



 今……何が、起こったんだ……?