「……おい、nobleの副総長さん」



 草むらのほうから、楽しげな声が聞こえた。

 まさかっ……。

 舜先輩が、ぴたりと足を止めた。

 ぞろぞろと、舜先輩の周りを囲むように現れた人たち。

 その人たちはみんな、カラーのマスクをつけていて、顔が判別できない状態だった。

 これ……さっき先輩たちが話してた……。



「……俺のことを待っていたのか?」



 舜先輩はあまり驚いた様子ではなく、平然とした態度で問いかけた。



「そのとーり。あんた、最近多忙なんだって?」



 どうやら、舜先輩が疲れていることを知っての犯行らしい。

 卑怯な人たち……。

 そういえば、証拠がないと言っていたから……念の為動画を撮っておこう。