「やっぱりそうなんだ……」

「ち、違うよ! とにかく、授業始まるからもう戻るね……!」



 言い逃げするように、教室へと走り出した。

 どうしよう……私、なんて女だ……。

 春ちゃんと別れたばかりなのに……もう別の人を気になり始めているなんて……。


 こんなの、もっと軽蔑されるに違いない。


 芽生え始めた気持ちに必死に蓋をするように、胸をぎゅっと押さえた。