屋上を出て、階段のところで別れようとバイバイを言う。

 先に行こうと思った時、手を掴まれ引き止められた。

 ……どうしたんだろう?



「ねえ由姫。もし……今、fatalとnobleの間で抗争が起こったら……由姫はどっちの味方につく?」



 どうしてそんな質問をするんだろう……。

 私の反応が怖いのか、下を向いたまま尋ねてきた春ちゃん。

 その問いに関する答えは……決まっていた。



「ごめんね」



 変わり果てたみんなを見てショックを受けていた私を、nobleの人たちが温かく迎えてくれたの。

 だから……恩がある。返しても返しきれないくらい。

 そのくらい、救われたから。

 春ちゃんは私の返事にショックを受けたのか、びくりと肩を震わせた。