「学食行くの面倒だし、いつもこればっかり食べてる」



 そう話す春ちゃんが嘘をついていることは、すぐにわかった。



「本当は、甘いもの苦手でしょう?」

「えっ……」



 春ちゃんが、無理をして私とスイーツを食べに行ってくれていたこと、もうわかってる。



「隠さなくていいよ。もう無理しないで」



 そう伝えると、春ちゃんはまた「ごめん……」と口にして、視線を下げた。



「たまには食堂で、栄養バランスのとれた食事も食べたほうがいいよ」



 たぶん、市販のもので済ませているのは本当だろうから、春ちゃんの健康が心配だ。



「うん、由姫が言うならそうする」



 どうしてそんなにうれしそうなんだろう……?