総長さま、溺愛中につき。③〜暴走レベルの危険な独占欲〜

 重たい足取りで、屋上へと向かった。

 本当は会わないほうがいいんだろうけど、教室に来られるのは困る。

 ちゃんと会って、こういうことはやめてって伝えないと。

 屋上の扉を開けると、奥に駅にある待合室のようなガラス張りの部屋があった。

 初めて来たけど……ど、どうしてこんなところにこんなものがあるのっ……?

 中で待っていた春ちゃんが、駆け寄ってきた。



「サラ……!」



 すぐに、人差し指を口に当て、しー! という動作をした。



「そ、その名前はダメ……!」



 屋上には見る限り誰もいないけど……校内でその呼び方は禁止っ……。



「あ、ごめん……! ゆ、由姫」



 春ちゃんは改めて私の名前を呼んで、にっこりとうれしそうに笑った。





*次回の更新5月5日(火)13:00〜*