【side春季】



《……春ちゃんと、同じ高校に通いたかったからだよ》



 はっきりと言われ、下唇を噛みしめた。

 サラは……俺のために……。

 生徒会室で、地味だと思っていた少女が由姫だったことに気づいた。

 すぐに風紀室に戻り確認すると、2ーSの名簿にはっきりと、“白咲 由姫”の文字が。

 間違いなく……サラの本名だった。

 今まで気づかなかった自分を、殴り殺してやりたくなった。

 あの日……突然サラが風紀の教室に来たことを思い出した。

 あれは……きっと、見つけてもらうために来たんだ。

 fatalの奴らに……俺に。

 それを俺は……。最低な言葉を吐いた記憶しかなく、サーっと血の気が引いた。

 どうしてサラが俺の現状を知っていたのか……ずっと謎だった疑問が、すべて明らかになった。