【side蓮】



 親父に呼び出され、雑用を手伝わされていた。

 普段なら無視をするが、なんだかんだ俺との時間を作ろうという親心故だとはわかっていたため、仕方なく手伝ってやった。

 理事長室にある書物の整理だったが、その雑用の量が多すぎて1日では終わらず、今日は昨日の残りを早急に終わらせ生徒会室に向かった。

 昨日は由姫と会えなかったからな……ちっ、もう当分親父の呼び出しは無視だ。

 早く由姫に会いたくて、急いで生徒会室に来た俺の視界に飛び込んだのは……天王寺に抱きしめられている由姫だった。

 どういう光景だ、これは……。

 意味がわからず、一瞬自分の目を疑った。

 カッと頭に血が上り衝動的に殴ったが、ふたりの話を聞き、俺はますますわけがわからなくなった。