どういう、こと……?

 春ちゃんの言葉の意味がわからず、蓮さんのほうを見る。

 蓮さんは……目を見開き、驚愕の表情を浮かべていた。



「お前が……由姫の、前の恋人なのか?」

「……ああ」



 あっさりと答えてしまった春ちゃん。

 私の心臓は、バクバクと異様なほど音を立てていた。

 蓮さんに……すべて、バレてしまう……っ。



「……天王寺の恋人は、サラって女だろ?」



 目をキツく閉じて、どうか気づかないでと願った。

 でも……頭のいい蓮さんが、そこまで考えて気づかないはずがない。



「舜から、1回聞いたことがある。桃色の髪がキレイで、って」



 恐る恐る目を開けると……蓮さんが茫然自失の表情で、私を見つめていた。



「由姫……お前が、サラっていう女なのか?」



 ……っ。

 私は否定も肯定もできず、ただ蓮さんから視線を逸らした。