「由姫を見ていると癒されるな」
「え……?」
突然言われた言葉に、クレープを食べる手が止まる。
癒される……?
「小動物みたいだ。それに、お前からは欲を感じない。一緒にいて居心地がいい」
ほ、褒められているの、かな?
「そ、そうですか……?」
よくわからないけど……一緒にいて居心地がいいと言われるのは、純粋に嬉しい。
私も滝先輩のことは好きだから、光栄な気持ちだ。
私を見つめる瞳に……いつもはない感情が揺れていたことには気付かず、そう思った。
「うまかったな」
クレープを食べ終え、お店を出る。ふたりで、生徒会寮へと帰る。

