総長さま、溺愛中につき。③〜暴走レベルの危険な独占欲〜



わ、私、そんなに方向音痴に見えるっ……?

心配してくれるのは嬉しいけど、生徒会室に行くだけで送ってもらうなんて……な、なんだか幼い子供みたい……。

平気だよともう一度断ったけど、みんなはもう送ることが決定事項のようで、お言葉に甘えることにした。







「生徒会室って遠いよな。毎日行くのめんどくさくない?」



生徒会室までの道を歩きながら海くんがそんなことを言った。



「そうかな?あんまり考えたことなかったなぁ」



九州にいた頃は通学距離が長かったし、校内の移動範囲はさほど何も感じない。

むしろ、敷地内に寮があって通学できるなんて、夢みたいだよ!



「……由姫?」



もうすぐ生徒会室に着く……という時、ちょうど向かい側から舜先輩たちが歩いてくるのが見えた。

その瞬間、弥生くんと華生くん、そして拓ちゃんの醸し出す空気が変わった。