わ、私、そんなに方向音痴に見えるっ……?
心配してくれるのは嬉しいけど、生徒会室に行くだけで送ってもらうなんて……な、なんだか幼い子供みたい……。
平気だよともう一度断ったけど、みんなはもう送ることが決定事項のようで、お言葉に甘えることにした。
「生徒会室って遠いよな。毎日行くのめんどくさくない?」
生徒会室までの道を歩きながら海くんがそんなことを言った。
「そうかな?あんまり考えたことなかったなぁ」
九州にいた頃は通学距離が長かったし、校内の移動範囲はさほど何も感じない。
むしろ、敷地内に寮があって通学できるなんて、夢みたいだよ!
「……由姫?」
もうすぐ生徒会室に着く……という時、ちょうど向かい側から舜先輩たちが歩いてくるのが見えた。
その瞬間、弥生くんと華生くん、そして拓ちゃんの醸し出す空気が変わった。

