「なんて、そんなはずがないのにな」
その表情から、疑いが晴れたことがわかって、バレないようにほっと胸を撫で下ろす。
あ、焦った……。
「ははっ、そ、そうですよ」
誤魔化すように笑って、クレープにパクッとかぶりついた。
あれ……?よく見ると、滝先輩が持っていたクレープはもうなくなっている。
「滝先輩、もう食べ終わったんですか?」
「ん?ああ」
は、早い……!
私、まだ半分も食べてないっ……。
待たせるのは申し訳ないから、急いで食べなきゃ……!
「由姫はゆっくり食べるといい」
「す、すみません……!」
優しい言葉に感謝しながらも、できるだけ早く食べようと黙々と食べ進める。

