優しくて、周りの人に気を配れて、頼りになって……。
そんなことを思っていると、滝先輩が急に手を私のほうに伸ばしてきた。
「た、滝先輩?」
ぽんぽんと、優しく頭を撫でられる。
私を見つめる滝先輩の瞳は……何か愛おしいものをみるように、甘い瞳だった。
ただ、私に向けられているというよりも……私と、誰かを重ねているように見えた。
「悪い。急にこうしたくなった」
くしゃっと、いつもとは違う無邪気な笑顔に戸惑う。
「そ、そうですか……?」
ど、どうしたんだろう……。
滝先輩らしくない行動に驚いたけれど、嫌ではない。
それにしても……大きな手。

