せめて何かお礼がしたい……。
そう思った時、あることを思いついた。
「あっ、滝先輩、この後時間ありますか……!」
「ん?」
気抜けしたような表情を浮かべた滝先輩に、私はにっこりと微笑んだ。
滝先輩を連れてやってきたのは……。
「ここは……南の家の……」
「はい!この前南くんに教えてもらって、すっごく美味しかったので……!」
南くんが紹介してくれた、クレープ屋さんだ。
滝先輩は甘味を愛する同士だと思うから、甘いものをごちそうさせてほしいと半ば強引に連れてきた。
こんなことで許されないけれど……気持ちだけでもっ……。

