「昨日あれから、天王寺は人格が変わったように大人しくなったらしい」



 えっ……。春ちゃん……。

 納得がいかない口調で話す舜先輩の言葉に、ほっとした。

 春ちゃんなりに……私の言葉、ちゃんと考えてくれたのかな。

 そうだとしたら、うれしいな。

 ほっとしたら、なんだか眠気がひどくなってきた。

 んん……。

 ゆっくりと、頭が垂れていく。机にうつ伏せ状態になり、そのまま瞼が落ちていく。



「しかも、鳳から伝言だ。『近々謝罪させに行く』だと」

「あの天王寺が謝罪? 何かの間違いじゃないのか?」

「俺もそう思う。……が、鳳がずいぶんご機嫌だったから、何かあったんだろう」



 私の耳にはもう、ふたりの会話は入っていなかった。