「コンビニ」



 何か買いに行くのかな?

 引き止めてしまって申し訳ないなと思い、さよならをしようと思った時。



「なあ由姫」



 蓮さんが何か言いたげな顔をしていることに気づいた。

 ん? どうしたんだろう……?



「彼氏とやらとは大丈夫か?」



 控えめに聞いてきた蓮さんに、ハッとする。

 蓮さんには、言っておかなきゃ……。

 たくさん迷惑をかけたし、何より……私の背中を押してくれたのは、蓮さんだから。

 心配をかけないように、笑顔を浮かべながら口を開いた。



「はい。ちゃんと……別れました」



 蓮さんはとくに驚くことなく、「そうか」と言って、いつものように私の頭を撫でてくる。

 くすぐったくて笑うと、蓮さんはそんな私を見ながら、なぜか口角を上げた。