ふゆくん、無事に来て、春ちゃんを見つけてくれるかな……。
心配になったけど、ふゆくんならきっと来てくれる。
私はスマホの画面を開き、春ちゃんの連絡先に移動する。
そして、着信拒否に設定するとともに、春ちゃんの連絡先を消した。
これで、春ちゃんとの接点はなくなってしまった。
もう後戻りはできない……これでいいんだ。
今はふゆくんが見つけてくれることを信じようと、私はひとり寮に帰った。
早く朝の支度をして、学校に行かないと。
エレベーターを降りて家のほうを向いて廊下を歩いていると、奥の部屋から蓮さんが出てきた。
一応人に会わないように心がけていたため、ぎくっとした。
「由姫?」
不思議そうに私の名前を呼んだ蓮さんに、「おはようございます」と平静を装って挨拶をする。