私たちがうまくいかなくなってしまったのは、決して春ちゃんだけのせいじゃない。

 蓮さんは、自分を責めるなと言ってくれたけど……私にだって責任はゼロじゃない。

 春ちゃんは何度も何度も会いたいと言ってくれた。

 私がそれに答えなかったから……。

 恋人に我慢ばかりさせる、不甲斐ない彼女だった。



「ごめんね、春ちゃん……」

「違う、悪いのは全部、俺だよ……!」



 ……ありがとう。


 必死な形相で首を横に振った春ちゃんに、微笑んだ。

 その優しさを……忘れないでほしい。ずっと、優しい春ちゃんでいてほしい。



「今の私たちは、一緒にいるべきじゃない。今の春ちゃんのこと、信じてあげられない……ごめんね」



 ぎゅっと、握る手に力を込めた。



「だから……お別れしよう」

「……っ」




*次回の更新4月16日(木)13:00〜*